TAクローニング

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====使用するキット====
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===使用するキット===
 
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*「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @-20℃フリーザー
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*「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @フリーザー(-20℃)
  
 
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===実験方法===
====実験方法====
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:1. マイクロチューブにPCR産物とPCR産物の2倍量のNT1を加える。
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====(1) PCR産物の調製====
 
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*精製したPCR産物を用いる場合、以下の要領で調製する。 (計 9 µl)
 
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====実験方法(電気泳動後のゲルから抽出する場合)====
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::*電気泳動後のゲルからバンドを切り出して精製する場合は、以下の方法で行う
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:1. 精製したいDNA(PCR産物など)をアガロースゲルで電気泳動する
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::*泳動バッファーは使い回しではなく新しいものを使用
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::*サンプルをウェルにアプライする時は、各サンプル間で1レーン以上間隔を開ける
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::*電気泳動中は、光が当たらないように箱"Dark電気泳der"を泳動層にかぶせておく
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:::※GR Redを取り込んだDNAは光が当たると変異が生じやすいため
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:2. (電気泳動中にヒートブロックを50℃にセットしておく)
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:3. 泳動が終わったら、UV(短波長)を当てて確認しながら、バンド部分のアガロースゲルをカミソリで切り出してエッペンに回収する(@トランスイルミネーター)
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:4. 3で切り出したアガロースゲル100mg(≒100ul)に対して、NT1 200ulの割合になるようにNT1を加える
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:{| class="wikitable"
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!!! 添加量  !! 終濃度 !! 備考
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| <b>精製PCR産物</b> || style="text-align:right;"| 5 µl || | - || | -
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| dH2O|| style="text-align:right;"|1.66 µl || | - || | -
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| KOD -Plus- 10x Buffer || style="text-align:right;"| 0.9 µl|| | 1x (10倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
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| 25mM MgSO4 || style="text-align:right;"| 0.54 µl|| | 1.5mM (16.6倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
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| 2mM dNTPs || style="text-align:right;"| 0.9 µl || | 0.2mM (10倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
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|}
  
:5. 50度で5-10分熱処理して、ゲルを溶解する(完全に融けるまで)
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====(2) 3'末端のdA付加反応====
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:1. (1)で調製したPCR産物(9 µl)に「10x A-attachment Mix」1 µl を添加してよく混ぜる。
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:2. 60℃で10分間反応させる。    ※30分まで延長可能
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:3. 次のライゲーションの直前まで、氷上(あるいは、4℃)に置く
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::*dA付加反応後は、すぐに次のライゲーションを行う (この反応で形成した3'突出末端は不安定なため、ライゲーション前で放置しない)
  
(これ以降は、上記の「PCR産物の精製」と同じ)
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====(3) ライゲーション====
:6. カラムをCollection Tube(2ml)にセットし、5の溶液をカラムに添加する。
+
:1. 以下の要領で、ライゲーション反応液を調製する。(計10µl)
::11,000×g で、30秒遠心する。
+
::ろ液を捨て、同じCollection Tubeにカラムをセットする。
+
  
:7. NT3 700μlをカラムに添加する。
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::{| class="wikitable"
::11,000×g で、30秒遠心する。
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::ろ液を捨て、同じCollection Tubeにカラムをセットする。
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!!! 添加量  !! 備考
:*このステップを2回行う。
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| 2x Ligation Buffer || style="text-align:right;"| 5 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
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| pTA2 vector (50ng/µl, 3kb)|| style="text-align:right;"|1 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
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| <b>(2)でdA付加したPCR産物</b> || style="text-align:right;"| 3 µl|| | (モル換算で)vectorの3倍以上の量になるとよい
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| T4 DNA Ligase || style="text-align:right;"| 1 µl|| | 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
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|}
  
:8. カラムを11,000×gで、1分遠心しメンブレンを乾燥させる。
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:2. 16℃で30分以上反応させる。
  
:9. カラムをマイクロチューブにセットする。
+
====(4) 大腸菌DH5αの形質転換====
::NE15〜30μlを加え、室温で1分インキュベートする。
+
:あとは、ライゲーション産物を用いて大腸菌DH5αのコンピテントセルを形質転換する
::※溶出時に使うNEの量は、次の操作などによって異なるので、実験前に先生に確認すること (たとえば...PCR産物50μl:30μl , PCR産物20μl:20μl。必ずこの量とは限らない)
+
:*選抜用の抗生物質は、アンピシリン(50mg/l)を使う
::11,000×gで、1分遠心する。
+
:*インサートの有無をチェックできるように、大腸菌をプレートに撒く前に、X-Gal (2%)、IPTG (0.1M)をプレート1枚につき20μlずつ塗布する
 +
::*インサートが入ったコロニーは白色、インサートが入らなかったコロニーは青色になる (青白判定)

2020年3月10日 (火) 14:22時点における最新版

目次

[編集] 使用するキット


  • 「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @フリーザー(-20℃)

[編集] 実験方法


[編集] (1) PCR産物の調製

  • 精製したPCR産物を用いる場合、以下の要領で調製する。 (計 9 µl)
添加量 終濃度 備考
精製PCR産物 5 µl - -
dH2O 1.66 µl - -
KOD -Plus- 10x Buffer 0.9 µl 1x (10倍希釈) KOD -Plus- の付属品
25mM MgSO4 0.54 µl 1.5mM (16.6倍希釈) KOD -Plus- の付属品
2mM dNTPs 0.9 µl 0.2mM (10倍希釈) KOD -Plus- の付属品

[編集] (2) 3'末端のdA付加反応

1. (1)で調製したPCR産物(9 µl)に「10x A-attachment Mix」1 µl を添加してよく混ぜる。
2. 60℃で10分間反応させる。    ※30分まで延長可能
3. 次のライゲーションの直前まで、氷上(あるいは、4℃)に置く
  • dA付加反応後は、すぐに次のライゲーションを行う (この反応で形成した3'突出末端は不安定なため、ライゲーション前で放置しない)

[編集] (3) ライゲーション

1. 以下の要領で、ライゲーション反応液を調製する。(計10µl)
添加量 備考
2x Ligation Buffer 5 µl -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
pTA2 vector (50ng/µl, 3kb) 1 µl -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
(2)でdA付加したPCR産物 3 µl (モル換算で)vectorの3倍以上の量になるとよい
T4 DNA Ligase 1 µl 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
2. 16℃で30分以上反応させる。

[編集] (4) 大腸菌DH5αの形質転換

あとは、ライゲーション産物を用いて大腸菌DH5αのコンピテントセルを形質転換する
  • 選抜用の抗生物質は、アンピシリン(50mg/l)を使う
  • インサートの有無をチェックできるように、大腸菌をプレートに撒く前に、X-Gal (2%)、IPTG (0.1M)をプレート1枚につき20μlずつ塗布する
  • インサートが入ったコロニーは白色、インサートが入らなかったコロニーは青色になる (青白判定)
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