TAクローニング

提供: 鈴木研Wiki
(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(2人の利用者による、間の8版が非表示)
1行: 1行:
 
===使用するキット===
 
===使用するキット===
 
----
 
----
*「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @-20℃フリーザー
+
*「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @フリーザー(-20℃)
  
 
===実験方法===
 
===実験方法===
 
----
 
----
 
====(1) PCR産物の調製====
 
====(1) PCR産物の調製====
*精製したPCR産物を用いる場合、以下の要領で調製する。
+
*精製したPCR産物を用いる場合、以下の要領で調製する。 (計 9 µl)
  
{| class="wikitable"
+
:{| class="wikitable"
 
|-
 
|-
!!! 添加量  !! 終濃度
+
!!! 添加量  !! 終濃度 !! 備考
 
|-
 
|-
| dH2O|| style="text-align:right;"|1.66 µl || | -
+
| <b>精製PCR産物</b> || style="text-align:right;"| 5 µl || | - || | -
 
|-
 
|-
| KOD -Plus- 10x Buffer || style="text-align:right;"| 0.9 µl|| | 1x (10倍希釈)
+
| dH2O|| style="text-align:right;"|1.66 µl || | - || | -
 
|-
 
|-
| 25mM MgSO4 || style="text-align:right;"| 0.54 µl|| | 1.5mM (16.6倍希釈)
+
| KOD -Plus- 10x Buffer || style="text-align:right;"| 0.9 µl|| | 1x (10倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
 
|-
 
|-
| 2mM dNTPs || style="text-align:right;"| 0.9 µl || | 0.2mM (10倍希釈)
+
| 25mM MgSO4 || style="text-align:right;"| 0.54 µl|| | 1.5mM (16.6倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
 +
|-
 +
| 2mM dNTPs || style="text-align:right;"| 0.9 µl || | 0.2mM (10倍希釈) || | KOD -Plus- の付属品
 
|-
 
|-
| <b>精製PCR産物</b> || style="text-align:right;"| 5 µl || | -
 
 
|}
 
|}
 
最終濃度が1x Taqバッファー、1.5mM MgCl2、0.2mM dNTPsとなるように試薬を添加して、以下の操作を継続してください。
 
 
 
 
:1. 精製したいDNA(PCR産物など)をアガロースゲルで電気泳動する
 
::*泳動バッファーは使い回しではなく新しいものを使用
 
::*サンプルをウェルに
 
 
  
 
====(2) 3'末端のdA付加反応====
 
====(2) 3'末端のdA付加反応====
 +
:1. (1)で調製したPCR産物(9 µl)に「10x A-attachment Mix」1 µl を添加してよく混ぜる。
 +
:2. 60℃で10分間反応させる。    ※30分まで延長可能
 +
:3. 次のライゲーションの直前まで、氷上(あるいは、4℃)に置く
 +
::*dA付加反応後は、すぐに次のライゲーションを行う (この反応で形成した3'突出末端は不安定なため、ライゲーション前で放置しない)
  
:1. 精製したいDNA(PCR産物など)をアガロースゲルで電気泳動する
+
====(3) ライゲーション====
::*泳動バッファーは使い回しではなく新しいものを使用
+
:1. 以下の要領で、ライゲーション反応液を調製する。(計10µl)
::*サンプルをウェルに
+
  
 +
::{| class="wikitable"
 +
|-
 +
!!! 添加量  !! 備考
 +
|-
 +
| 2x Ligation Buffer || style="text-align:right;"| 5 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
 +
|-
 +
| pTA2 vector (50ng/µl, 3kb)|| style="text-align:right;"|1 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
 +
|-
 +
| <b>(2)でdA付加したPCR産物</b> || style="text-align:right;"| 3 µl|| | (モル換算で)vectorの3倍以上の量になるとよい
 +
|-
 +
| T4 DNA Ligase || style="text-align:right;"| 1 µl|| | 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
 +
|-
 +
|}
  
 +
:2. 16℃で30分以上反応させる。
  
====<以下、作成中>====
+
====(4) 大腸菌DH5αの形質転換====
 +
:あとは、ライゲーション産物を用いて大腸菌DH5αのコンピテントセルを形質転換する
 +
:*選抜用の抗生物質は、アンピシリン(50mg/l)を使う
 +
:*インサートの有無をチェックできるように、大腸菌をプレートに撒く前に、X-Gal (2%)、IPTG (0.1M)をプレート1枚につき20μlずつ塗布する
 +
::*インサートが入ったコロニーは白色、インサートが入らなかったコロニーは青色になる (青白判定)

2020年3月10日 (火) 14:22時点における最新版

目次

[編集] 使用するキット


  • 「TArget Clone -Plus-」 (Toyobo)  @フリーザー(-20℃)

[編集] 実験方法


[編集] (1) PCR産物の調製

  • 精製したPCR産物を用いる場合、以下の要領で調製する。 (計 9 µl)
添加量 終濃度 備考
精製PCR産物 5 µl - -
dH2O 1.66 µl - -
KOD -Plus- 10x Buffer 0.9 µl 1x (10倍希釈) KOD -Plus- の付属品
25mM MgSO4 0.54 µl 1.5mM (16.6倍希釈) KOD -Plus- の付属品
2mM dNTPs 0.9 µl 0.2mM (10倍希釈) KOD -Plus- の付属品

[編集] (2) 3'末端のdA付加反応

1. (1)で調製したPCR産物(9 µl)に「10x A-attachment Mix」1 µl を添加してよく混ぜる。
2. 60℃で10分間反応させる。    ※30分まで延長可能
3. 次のライゲーションの直前まで、氷上(あるいは、4℃)に置く
  • dA付加反応後は、すぐに次のライゲーションを行う (この反応で形成した3'突出末端は不安定なため、ライゲーション前で放置しない)

[編集] (3) ライゲーション

1. 以下の要領で、ライゲーション反応液を調製する。(計10µl)
添加量 備考
2x Ligation Buffer 5 µl -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
pTA2 vector (50ng/µl, 3kb) 1 µl -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
(2)でdA付加したPCR産物 3 µl (モル換算で)vectorの3倍以上の量になるとよい
T4 DNA Ligase 1 µl 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
2. 16℃で30分以上反応させる。

[編集] (4) 大腸菌DH5αの形質転換

あとは、ライゲーション産物を用いて大腸菌DH5αのコンピテントセルを形質転換する
  • 選抜用の抗生物質は、アンピシリン(50mg/l)を使う
  • インサートの有無をチェックできるように、大腸菌をプレートに撒く前に、X-Gal (2%)、IPTG (0.1M)をプレート1枚につき20μlずつ塗布する
  • インサートが入ったコロニーは白色、インサートが入らなかったコロニーは青色になる (青白判定)
個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ツール