DNAの電気泳動

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(用意するもの(全量20µの場合))
(アガロースゲルの作製)
 
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__NOTOC__
 
===アガロースを使った電気泳動===
 
===アガロースを使った電気泳動===
  
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==試薬==
  
====試薬====
 
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*1×TAE(50×TAEを50倍希釈)
 
*1×TAE(50×TAEを50倍希釈)
*TAKARA Agarose 
+
*TAKARA Agarose
*2×MightAmp Buffer  10µℓ 
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*10x泳動Dye ("10xDye buffer":"GR RED Loading buffer 6×"=2:1で混ぜたもの)
*GR RED Loading buffer 6×
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*DNAサイズマーカー(例:λ/HindIII)
*DNAマーカー
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==アガロースゲルの作製==
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{| class='wikitable'
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|アガロースの濃度(W/V)||DNAのサイズ(bp)
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|0.6%|| style="text-align:right;"| 1,000~20,000
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|'''0.7%'''|| style="text-align:right;"|800~10,000
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|1.0%|| style="text-align:right;"|500~7,000
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|1.2%|| style="text-align:right;"|400~6,000
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|'''1.5%'''|| style="text-align:right;"|200~3,000
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|2.0%|| style="text-align:right;"|100~2,000
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|}
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::* (目安) 1kb以下:1.5%、1kb以上:0.7%
  
====サンプルDNAをPCRで増やす====
+
#ゲルトレイ(ケース、トレイ、コーム)を準備する。
#抽出したDNAサンプル、Might Amp、2×MightAmp Buffer、プライマーMix、水の合計20μℓを8連マイクロチューブに20μピペットマンで入れ遠心する。
+
#ゲルトレイのサイズに応じたTAEをゲル作製用ビーカーに分注する。 ※Mupid(大:2枚、小:4枚)の場合、200ml
#必要数サンプルが出来たら20μサンプルをPCRにかけて反応させる。
+
#アガロースを量って入れる。
:::95℃ 5分
+
#電子レンジでアガロースを完全に溶かす。
:::95℃ 1分
+
#水道水でアガロース溶液を素手で持てるぐらいまで冷やす。
:::70or75℃ 1分
+
#トレイにアガロースを流し込む。ケースとトレイの間の空気を抜く。コームをさす。
:::72℃ 4分
+
#固まるのを待つ。すぐに使わない場合は、固まってから冷蔵庫で保存
:::72℃ 7分
+
:::35サイクル
+
:::12℃ ∞
+
PCRが終ったら4℃で1日保存する
+
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+
  
====増やしたDNAを電気泳動で確認する====
+
==電気泳動==
#用意した1%アガロースゲルを電気泳動装置にセットし、1×TAEバッファーをゲルが浸るまで加える
+
 
#アガロースゲルの一番左のウェルにDNAマーカー4μℓを20μピペットマンでアプライする。
+
#サンプルと「10x泳動Dye」(サンプルの1/10量)を混ぜる
#前日用意したPCR産物を別の8連マイクロチューブに4μℓ取りその中にGR RED Loading bufferを1μ加えて遠心する。(全量5μℓ)
+
#泳動層にゲル(ゲル板はつけたまま)を入れ、TAEを満たす。
#できたサンプル5μℓ全量をアガロースゲルにそれぞれアプライする。
+
#各ウェルに、「サイズマーカー(例:λ/HindIII)」4µl、あるいは、上記で調製したサンプルをアプライし、100Vで泳動する。
#マーカー及びサンプルをすべてゲルにアプライしたら電気泳動を開始する(10分から20分程度)
+
#泳動が終了したら、ゲルをUV透過ゲルトレイに乗せ、トランスイルミネーターでDNAを可視化する。写真を撮る。
#電気泳動が終了したらゲルを電気泳動装置から取り出しUV透過ゲルトレイに乗せ電気泳動ゲル撮影用デジタルカメラ遮光フード装置に持っていき撮影する。(結果を確認するまでゲルは捨てないこと)
+
#撮影したデータを持ってパソコンに保存、印刷する。
+

2020年4月9日 (木) 17:23時点における最新版

[編集] アガロースを使った電気泳動

[編集] 試薬

  • 1×TAE(50×TAEを50倍希釈)
  • TAKARA Agarose
  • 10x泳動Dye ("10xDye buffer":"GR RED Loading buffer 6×"=2:1で混ぜたもの)
  • DNAサイズマーカー(例:λ/HindIII)

[編集] アガロースゲルの作製

アガロースの濃度(W/V) DNAのサイズ(bp)
0.6% 1,000~20,000
0.7% 800~10,000
1.0% 500~7,000
1.2% 400~6,000
1.5% 200~3,000
2.0% 100~2,000
  • (目安) 1kb以下:1.5%、1kb以上:0.7%
  1. ゲルトレイ(ケース、トレイ、コーム)を準備する。
  2. ゲルトレイのサイズに応じたTAEをゲル作製用ビーカーに分注する。 ※Mupid(大:2枚、小:4枚)の場合、200ml
  3. アガロースを量って入れる。
  4. 電子レンジでアガロースを完全に溶かす。
  5. 水道水でアガロース溶液を素手で持てるぐらいまで冷やす。
  6. トレイにアガロースを流し込む。ケースとトレイの間の空気を抜く。コームをさす。
  7. 固まるのを待つ。すぐに使わない場合は、固まってから冷蔵庫で保存

[編集] 電気泳動

  1. サンプルと「10x泳動Dye」(サンプルの1/10量)を混ぜる
  2. 泳動層にゲル(ゲル板はつけたまま)を入れ、TAEを満たす。
  3. 各ウェルに、「サイズマーカー(例:λ/HindIII)」4µl、あるいは、上記で調製したサンプルをアプライし、100Vで泳動する。
  4. 泳動が終了したら、ゲルをUV透過ゲルトレイに乗せ、トランスイルミネーターでDNAを可視化する。写真を撮る。
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