In-Fusion Cloning

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::2. 「37℃で30分 → 80℃で20分」反応させる。
 
::2. 「37℃で30分 → 80℃で20分」反応させる。
  
====(1) In Fusion反応====
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====(2) In-Fusion Cloning====
::*下記の(a)(b)いずれかの方法でPCR産物の前処理を行う
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::1. 以下の要領で、反応液を調製する。(計5µl)
:'''(a) カラムでの精製''' (ベクターを制限酵素処理した場合も同様)
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   ⇒ [[NucleoSpin Gel and PCR Clean-upを使ったDNA精製]] を参照
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====(2) 3'末端のdA付加反応====
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:1. (1)で調製したPCR産物(9 µl)に「10x A-attachment Mix」1 µl を添加してよく混ぜる。
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:2. 60℃で10分間反応させる。    ※30分まで延長可能
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:3. 次のライゲーションの直前まで、氷上(あるいは、4℃)に置く
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::*dA付加反応後は、すぐに次のライゲーションを行う (この反応で形成した3'突出末端は不安定なため、ライゲーション前で放置しない)
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====(3) ライゲーション====
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:1. 以下の要領で、ライゲーション反応液を調製する。(計10µl)
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::{| class="wikitable"
 
::{| class="wikitable"
 
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!!! 添加量  !! 備考
 
!!! 添加量  !! 備考
 
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| 2x Ligation Buffer || style="text-align:right;"| 5 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
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| 線状化ベクター || style="text-align:right;"| 2 µl || | (Cloning Enhancer処理後のものは、インサート、ベクター合わせて2 µlまで)
 
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| pTA2 vector (50ng/µl, 3kb)|| style="text-align:right;"|1 µl || | -20℃から出して溶解したら、すぐに氷上に置くこと
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| インサートのPCR産物 || style="text-align:right;"|2 µl || | (Cloning Enhancer処理後のものは、インサート、ベクター合わせて2 µlまで)
 
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| <b>(2)でdA付加したPCR産物</b> || style="text-align:right;"| 3 µl|| | (モル換算で)vectorの3倍以上の量になるとよい
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| 5x In-Fusion HD enzyme Premix || style="text-align:right;"| 1 µl|| | 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
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| T4 DNA Ligase || style="text-align:right;"| 1 µl|| | 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
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|}

2020年10月7日 (水) 15:56時点における版

目次

使用するキット


  • 「In-Fusion HD Cloning Kit」 (TaKaRa: Clontech)  @フリーザー(-20℃)

実験方法


(1) PCR産物の前処理

  • 下記の(a)(b)いずれかの方法でPCR産物の前処理を行う
(a) カラムでの精製 (ベクターを制限酵素処理した場合も同様)

   ⇒ NucleoSpin Gel and PCR Clean-upを使ったDNA精製 を参照

(b) Cloning Enhancer処理
  • PCR後の電気泳動での確認時に、非特異的なバンドがなかった場合、この方法を用いることが可能
1. 以下の要領で、反応液を調製する。(計7µl)
添加量
PCR産物 5 µl
Cloning Enhancer 2 µl
2. 「37℃で30分 → 80℃で20分」反応させる。

(2) In-Fusion Cloning

1. 以下の要領で、反応液を調製する。(計5µl)
添加量 備考
線状化ベクター 2 µl (Cloning Enhancer処理後のものは、インサート、ベクター合わせて2 µlまで)
インサートのPCR産物 2 µl (Cloning Enhancer処理後のものは、インサート、ベクター合わせて2 µlまで)
5x In-Fusion HD enzyme Premix 1 µl 氷上に置く(orクーラーボックスを使う)
2. 16℃で30分以上反応させる。

(4) 大腸菌DH5αの形質転換

あとは、ライゲーション産物を用いて大腸菌DH5αのコンピテントセルを形質転換する
  • 選抜用の抗生物質は、アンピシリン(50mg/l)を使う
  • インサートの有無をチェックできるように、大腸菌をプレートに撒く前に、X-Gal (2%)、IPTG (0.1M)をプレート1枚につき20μlずつ塗布する
  • インサートが入ったコロニーは白色、インサートが入らなかったコロニーは青色になる (青白判定)
個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ツール