NEBNext Ultra II RNA Library Prep Kit

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(ポリA精製)
 
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==== (補足・修正)====
 
最新版は、Redmineを参照
 
 
https://kiku3.tsbio.info/redmine/projects/niwadata/wiki/NEBNext_Ultra_II_RNA_Library_Prep_Kit
 
 
* 当初のプロトコールの数か所を訂正・補足として追記(240116丹羽)
 
* 以下の記述のうち、「AMPure XP」は全て、「KAPA Hyper Pure Beads」に変更した。使用量は同じ。(220801以降)
 
* 以下の記述のうち、「RSB」は「0.1xTE」に変更した。(キットの付属品等を使う)(200603以降)
 
* ポリA精製の1~16(94℃で10分間保温まで)は"ロック付きチューブ"を使う
 
 
 
=== ポリA精製 ===
 
=== ポリA精製 ===
# RNAを10 ng - 1 µg / 50µlになるように希釈し、ロック付きチューブに入れる。
+
# RNAを10 ng - 1 µg / 50 µLになるように希釈し、'''ロック付き'''チューブに入れる。
# NEBNext Oligo d(T)25 beads 20µl x サンプル数をエッペンに分注する。
+
# NEBNext Oligo d(T)25 beads 20 µL x サンプル数をエッペンに分注する。
# RNA Binding Buffer (2x) 100 µl x サンプル数を加え、ビーズを洗う。遠心して、ビーズを沈殿させ、磁性体スタンドに置く。上清を捨てビーズを回収する。2回行う。
+
# RNA Binding Buffer (2x) 100 µL x サンプル数を加え、ビーズを洗う。遠心して、ビーズを沈殿させ、磁性体スタンドに置く。上清を捨てビーズを回収する。2回行う。
# RNA Binding Buffer (2x) 50 µl x サンプル数を加え、懸濁する。
+
# RNA Binding Buffer (2x) 50 µL x サンプル数を加え、懸濁する。
# 懸濁したビーズ50µlをRNAに加える。
+
# 懸濁したビーズ50 µLをRNAに加える。
 
# 65℃で5分間保温する。その後氷につけて冷やす。
 
# 65℃で5分間保温する。その後氷につけて冷やす。
 
# ビーズを懸濁しながら室温で5分間保温する。
 
# ビーズを懸濁しながら室温で5分間保温する。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
# Wash Buffer 200µlを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。2回行う。
+
# Wash Buffer 200 µLを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。2回行う。
# Tris Buffer 50µlを加え、懸濁する。
+
# Tris Buffer 50 µLを加え、懸濁する。
 
# 80℃で2分保温する。その後氷につけて冷やす。
 
# 80℃で2分保温する。その後氷につけて冷やす。
# RNA Binding Buffer (2x) 50µlを加え、懸濁する。懸濁しながら室温で5分間温める。
+
# RNA Binding Buffer (2x) 50 µLを加え、懸濁する。懸濁しながら室温で5分間温める。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
# Wash Buffer 200µlを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。
+
# Wash Buffer 200 µLを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。
# First Strand Synthesis Reaction Buffer (5X) 8 µl、NEBNext Random Primers 2 µlを加える。''試薬はピンクの印''
+
# H<sub>2</sub>O 10 µL、First Strand Synthesis Reaction Buffer (5X) 8 µL、NEBNext Random Primers 2 µL (合計20 µL)を混合し、このうち11 µLを加える。
## * 訂正:「H2O 10 µl、First Strand Synthesis Reaction Buffer (5X) 8 µl、NEBNext Random Primers 2 µl」x (サンプル数分) のmixを作製し、そのうちの12µlを加える。
+
 
# 94℃で10分間保温する。氷につけて室温に戻す。
 
# 94℃で10分間保温する。氷につけて室温に戻す。
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を新しいチューブに回収する。
+
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清10 µLを新しいチューブに回収する。
  
 
=== cDNA合成 ===
 
=== cDNA合成 ===
# NEBNext First Strand Synthesis Enzyme Mix 2 µl、水 8 µlを加える。''試薬はピンクの印''
+
# NEBNext First Strand Synthesis Enzyme Mix 2 µL、H<sub>2</sub>O 8 µLを加える。'''試薬はピンクの印'''
 
# 25℃で10分、42℃で15分、70℃で15分保温する。
 
# 25℃で10分、42℃で15分、70℃で15分保温する。
# NEBNext Second Strand Synthesis Reaction Buffer (10x) 8 µl、NEBNext Second Strand Synthesis Enzyme Mix 4 µl、水 48 µlを加える。''試薬はオレンジの印''
+
# NEBNext Second Strand Synthesis Reaction Buffer (10x) 8 µL、NEBNext Second Strand Synthesis Enzyme Mix 4 µL、H<sub>2</sub>O 48 µLを加える。'''試薬はオレンジの印'''
 
# 16℃で1時間保温する。
 
# 16℃で1時間保温する。
  
 
=== DNA精製 ===
 
=== DNA精製 ===
# AMPure XP 144 µl (1.8倍量)を加えて、よく撹拌して、5分間室温で放置する。
+
# KAPA Hyper Pure Beads 144 µL (1.8倍量)を加えて、よく撹拌して、5分間室温で放置する。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
 
# 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
# 200 &#181;l 80%エタノールを加え、30秒後、上清を捨てる。スタンドから外して混ぜたりする必要はない。2回行う。
+
# 200 µL 80%エタノールを加え、30秒後、上清を捨てる。スタンドから外して混ぜたりする必要はない。2回行う。
 
# 遠心して上清を捨てたあと、5分間乾燥させる。
 
# 遠心して上清を捨てたあと、5分間乾燥させる。
# 50.5 &#181;l RSB (TruSeqのキットに付属)を加え、懸濁する。2分室温で放置する。
+
# 26 µL 0.1 x TE (マニュアルの半量)を加え、懸濁する。2分室温で放置する。
# 上清 50 &#181;l を回収する。ここで止められる(-20℃)。
+
# 上清 25 µL を回収する。ここで止められる(-20℃)。
  
 
=== 末端形成 ===
 
=== 末端形成 ===
# NEBNext Ultra II End Prep Reaction Buffer (10x) 7 µl、NEBNext Ultra II End Prep Enzyme Mix 3 µlを加える。''試薬は緑の印''
+
 
## * 補足:End Prep Enzyme Mix はキットの中で減りが速い、粘性が高いため、ピペットの目盛りを2 µlに合わせて吸う(と3 µl相当分が取れる)
+
# NEBNext Ultra II End Prep Reaction Buffer (10x) 3.5 µL、NEBNext Ultra II End Prep Enzyme Mix 1.5 µLを加える(マニュアルの半量)。'''試薬は緑の印'''
 
# 20℃で30分間、65℃で30分間、保温する。
 
# 20℃で30分間、65℃で30分間、保温する。
  
 
=== アダプター結合 ===
 
=== アダプター結合 ===
# NEBNext AdaptorをAdapter Dilution Bufferで5倍に希釈する。最初のRNAが250ng未満のときはさらに5倍希釈する。100ng未満のときはさらに4倍希釈する。
+
# NEBNext AdaptorをAdapter Dilution Bufferで5倍に希釈する。最初のRNAが250 ng未満のときはさらに5倍希釈する。100 ng未満のときはさらに4倍希釈する。
# 希釈したAdaptor 2.5 µl、NEBNext Ligation Enhancer 1 µl、NEBNext Ultra II Ligation Master Mix 30 µlを加える。''試薬は赤の印''
+
# 希釈したAdaptor 1.25 µL、NEBNext Ligation Enhancer 0.5 µL、NEBNext Ultra II Ligation Master Mix 15 µlを加える(マニュアルの半量、合計46.75 µL)。'''試薬は赤の印'''。複数サンプルの場合、まとめて混合して、チューブのふたの裏側に入れていくとよい。
 
# 20℃で15分間保温する。
 
# 20℃で15分間保温する。
# USER Enzyme 3 µlを加える。
+
# USER Enzyme 1.5 µLを加える(マニュアルの半量、合計48.25 µL)。
## * 補足:End Prep Enzyme Mix 同様に粘性が高いため、ピペットの目盛りを2.5 µlに合わせて吸う
+
## * 補足:End Prep Enzyme Mix 同様に粘性が高いため、ピペットの目盛りを1 µLに合わせて吸う
 
# 37℃で15分間保温する。
 
# 37℃で15分間保温する。
# AMPure XP 100 µl (等量)を加え、精製する。16 &#181;l RSBを加え、15 &#181;l 回収する。
+
# KAPA beads 44 µL (0.9倍量)を加え、精製する。13 µL 0.1 x TEを加え、12 µL  回収する(マニュアルの0.8倍量)
## * 訂正:AMPure XP は、87 µl (0.9x)
+
  
 
=== PCR (約1.5時間) ===
 
=== PCR (約1.5時間) ===
# Index Primer 5 &#181;l、Universal PCR Primer 5 &#181;l 、NEBNext Ultra II Q5 Master Mix 25  &#181;lを加える。
+
# Index Primer 4 µL、Universal PCR Primer 4 µL、NEBNext Ultra II Q5 Master Mix 20 µLを加える(マニュアルの0.8倍量)。
 
# 98℃で30秒、(98℃で10秒、65℃で75秒) x 8 cycle、65℃で5分、のPCRを行う。RNAが100ngのときはサイクル数を12に、10ngのときは15にする。
 
# 98℃で30秒、(98℃で10秒、65℃で75秒) x 8 cycle、65℃で5分、のPCRを行う。RNAが100ngのときはサイクル数を12に、10ngのときは15にする。
# AMPure XP 45 µl (0.9倍量)を加え、精製する。23 &#181;l RSBを加え、21 &#181;l 回収する。ここで止められる(-20℃)。
+
# KAPA beads 36 µL (0.9倍量)を加え、精製する。23 µL 0.1 x TEを加え、全量回収する。ここで止められる(-20℃)。
 +
 
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==== 修正 ====
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* 2022 / 8 / 1 AMPure XPをKAPA Hyper Pure Beadsに変更した。
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* 2020 / 6 / 3 RSBを0.1xTEに変更した。
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* ポリA精製の1~16(94℃で10分間保温まで)は"ロック付きチューブ"を使う。
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* 2025 / 1 / 25 キットの試薬の使用量を半量から0.8倍量に変更した。

2025年1月25日 (土) 12:13時点における最新版

目次

[編集] ポリA精製

  1. RNAを10 ng - 1 µg / 50 µLになるように希釈し、ロック付きチューブに入れる。
  2. NEBNext Oligo d(T)25 beads 20 µL x サンプル数をエッペンに分注する。
  3. RNA Binding Buffer (2x) 100 µL x サンプル数を加え、ビーズを洗う。遠心して、ビーズを沈殿させ、磁性体スタンドに置く。上清を捨てビーズを回収する。2回行う。
  4. RNA Binding Buffer (2x) 50 µL x サンプル数を加え、懸濁する。
  5. 懸濁したビーズ50 µLをRNAに加える。
  6. 65℃で5分間保温する。その後氷につけて冷やす。
  7. ビーズを懸濁しながら室温で5分間保温する。
  8. 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
  9. Wash Buffer 200 µLを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。2回行う。
  10. Tris Buffer 50 µLを加え、懸濁する。
  11. 80℃で2分保温する。その後氷につけて冷やす。
  12. RNA Binding Buffer (2x) 50 µLを加え、懸濁する。懸濁しながら室温で5分間温める。
  13. 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
  14. Wash Buffer 200 µLを加え、懸濁する。スタンドに置いて上清を捨てる。
  15. H2O 10 µL、First Strand Synthesis Reaction Buffer (5X) 8 µL、NEBNext Random Primers 2 µL (合計20 µL)を混合し、このうち11 µLを加える。
  16. 94℃で10分間保温する。氷につけて室温に戻す。
  17. 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清10 µLを新しいチューブに回収する。

[編集] cDNA合成

  1. NEBNext First Strand Synthesis Enzyme Mix 2 µL、H2O 8 µLを加える。試薬はピンクの印
  2. 25℃で10分、42℃で15分、70℃で15分保温する。
  3. NEBNext Second Strand Synthesis Reaction Buffer (10x) 8 µL、NEBNext Second Strand Synthesis Enzyme Mix 4 µL、H2O 48 µLを加える。試薬はオレンジの印
  4. 16℃で1時間保温する。

[編集] DNA精製

  1. KAPA Hyper Pure Beads 144 µL (1.8倍量)を加えて、よく撹拌して、5分間室温で放置する。
  2. 遠心後、磁性体スタンドに置き、上清を捨てる。
  3. 200 µL 80%エタノールを加え、30秒後、上清を捨てる。スタンドから外して混ぜたりする必要はない。2回行う。
  4. 遠心して上清を捨てたあと、5分間乾燥させる。
  5. 26 µL 0.1 x TE (マニュアルの半量)を加え、懸濁する。2分室温で放置する。
  6. 上清 25 µL を回収する。ここで止められる(-20℃)。

[編集] 末端形成

  1. NEBNext Ultra II End Prep Reaction Buffer (10x) 3.5 µL、NEBNext Ultra II End Prep Enzyme Mix 1.5 µLを加える(マニュアルの半量)。試薬は緑の印
  2. 20℃で30分間、65℃で30分間、保温する。

[編集] アダプター結合

  1. NEBNext AdaptorをAdapter Dilution Bufferで5倍に希釈する。最初のRNAが250 ng未満のときはさらに5倍希釈する。100 ng未満のときはさらに4倍希釈する。
  2. 希釈したAdaptor 1.25 µL、NEBNext Ligation Enhancer 0.5 µL、NEBNext Ultra II Ligation Master Mix 15 µlを加える(マニュアルの半量、合計46.75 µL)。試薬は赤の印。複数サンプルの場合、まとめて混合して、チューブのふたの裏側に入れていくとよい。
  3. 20℃で15分間保温する。
  4. USER Enzyme 1.5 µLを加える(マニュアルの半量、合計48.25 µL)。
    1. * 補足:End Prep Enzyme Mix 同様に粘性が高いため、ピペットの目盛りを1 µLに合わせて吸う
  5. 37℃で15分間保温する。
  6. KAPA beads 44 µL (0.9倍量)を加え、精製する。13 µL 0.1 x TEを加え、12 µL 回収する(マニュアルの0.8倍量)。

[編集] PCR (約1.5時間)

  1. Index Primer 4 µL、Universal PCR Primer 4 µL、NEBNext Ultra II Q5 Master Mix 20 µLを加える(マニュアルの0.8倍量)。
  2. 98℃で30秒、(98℃で10秒、65℃で75秒) x 8 cycle、65℃で5分、のPCRを行う。RNAが100ngのときはサイクル数を12に、10ngのときは15にする。
  3. KAPA beads 36 µL (0.9倍量)を加え、精製する。23 µL 0.1 x TEを加え、全量回収する。ここで止められる(-20℃)。

[編集] 修正

  • 2022 / 8 / 1 AMPure XPをKAPA Hyper Pure Beadsに変更した。
  • 2020 / 6 / 3 RSBを0.1xTEに変更した。
  • ポリA精製の1~16(94℃で10分間保温まで)は"ロック付きチューブ"を使う。
  • 2025 / 1 / 25 キットの試薬の使用量を半量から0.8倍量に変更した。
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