交配

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* 雌しべ側、花粉(雄しべ)側の各々に使う植物が、花が咲いて「さやが伸び始めたら」交配ができる。
 
* 雌しべ側、花粉(雄しべ)側の各々に使う植物が、花が咲いて「さやが伸び始めたら」交配ができる。
:* 雌しべ側に使う植物は、作業をしやすい蕾が大きいもの(側枝より主茎、なるべく早い時期)を選ぶ
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:* 雌しべ側に使う植物は、蕾が大きいもの(側枝より主茎、なるべく早い時期)を選ぶ  (※作業をしやすいように)
 
:* 花粉側に使う個体は、大きくなり過ぎると世話が大変なので(アラコンを脱着しにくくなる等)、早めに行うとよい
 
:* 花粉側に使う個体は、大きくなり過ぎると世話が大変なので(アラコンを脱着しにくくなる等)、早めに行うとよい
  
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:(5) (花茎を1本ずつ串にペーパータイで固定)
 
:(5) (花茎を1本ずつ串にペーパータイで固定)
  
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=====<2日目:交配=受粉>=====
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:(6) 除雄した後の雌しべをチェック(ダメージが無いか、柱頭が受粉可能な状態になっているか)
  
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:(7) 交配の組み合わせ(雌しべ-花粉)を決めて、花粉側に使う花(植物)が分かるように、雌しべ側に印をつける
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::* 爪楊枝にテープを貼り合わせて「旗」を作り、「花粉側の植物」「交配日」を記入し、雌しべ側の花茎(串)の根元に挿す
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::* 花の種類等でテープを色分けするとわかりやすい
  
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:(8) 花粉側に使う花の基部を先細ピンセットで挟んで、摘み取る
  
手順
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:(9) 花の基部をピンセットでつまむと、花が押し広がった状態になる。その状態で、雄しべの先端の葯を雌しべ側の花の柱頭に接触させて花粉を付着させる
<1日目:雌しべ側に使う花の雄しべ等の除去(除雄)>
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::* 雄しべの先端の“花の中心側:向軸側”を接触させる (葯は“花の中心側:向軸側”が裂開し、そこに花粉がついているため)
1) 雌しべ側に使う花の蕾を選ぶ。以降の作業をしやすい「大きめの蕾」を選ぶ
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2) 対象の蕾の近辺にある邪魔なさや、花を取り除く
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3) 「交配用ピンセット」を用いて、ガク片、花弁、雄しべを取り除く(雌しべを傷つけないように注意)
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4) 除雄できたら、目印のアクリル絵の具をつける(爪楊枝の先端に絵具を少量付けて、花柄の片側に付ける)
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5) (花茎を1本ずつ串にペーパータイで固定)
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<2日目:交配=受粉>
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=====<交配後の処理>=====
6) 除雄後の雌しべをチェック(ダメージが無いか、柱頭が受粉可能な状態になっているか)
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* 交配から3日後には、さやが伸び始める。さやが伸びれば受粉成功、伸びなければ受粉失敗。
7) 交配の組み合わせ(雌しべ-花粉)を決めて、花粉側に使う花(植物)が分かるように、雌しべ側に印をつける
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* 受粉後のさやがついた花茎は適宜管理する(串への固定等。回収直前のさやが裂開しやすい時期は、他のものと接触しないように注意!)
爪楊枝にテープを貼り合わせて「旗」を作り、「花粉側の植物」「交配日」を記入し、雌しべ側の花茎(串)の根元に挿す。花の種類等でテープを色分けするとわかりやすい
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* 交配からおよそ2週間後には、種が成熟しさやも茶色くなるので、その状態になったら回収する。
8) 花粉側に使う花の基部をピンセット(交配用以外)で挟んで、摘み取る
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:* 先細ピンセットで花柄をつまみ、ハサミで切り取り、1.5mlチューブに回収
9) 花を押し広げた状態にし、雄しべの先端の葯を雌しべ側の花の柱頭に接触させて花粉を付着させる
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:* '''(注意)この時期のさやは接触すると、割れて種が散らばってしまうので要注意!'''
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:* チューブ(蓋)には、種の情報を記載しておく
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* 種を回収したチューブは、種用デシケーターで保管。その際、種を乾燥させるため、チューブの蓋は密閉しない
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:* プロワイプで栓をする
  
<交配後の処理>
 
・交配から3日後にはさやが伸び始める。さやが伸びれば受粉成功、伸びなければ受粉失敗。
 
・受粉後のさやがついた花茎は適宜管理する(串への固定等。さやが他のものと接触しないように注意)
 
・交配からおよそ〇日後には、種が成熟しさやも茶色くなるので、その時期が来たら回収する。
 
ピンセット(交配用以外)で花柄をつまみ、ハサミで切り取り、1.5mlチューブに回収
 
(注意)この時期のさやは接触すると、さやが割れて種が散らばってしまうので要注意!
 
チューブ(蓋)には、種の情報を記載しておく
 
・種を回収したチューブは、種用デシケーターで保管。その際、種を乾燥させるため、チューブの蓋は密閉しない
 
プロワイプで栓をする
 
  
ノートの記入事項
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====※ ノートの記入事項====
 
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・雌しべ側の花の個体情報
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* 雌しべ側の花の個体情報(遺伝子型、個体のNo. 等)
・花粉側の花の個体情報
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* 花粉側の花の個体情報(遺伝子型、個体のNo. 等)
・目印の情報(テープの色等)
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* 目印の情報(テープの色等)
・日付(除雄した日、交配日、結実のチェック、さやを回収した日)
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* 日付(除雄した日、交配日、結実のチェック、さやを回収した日)

2022年2月7日 (月) 16:45時点における版


  • 雌しべ側、花粉(雄しべ)側の各々に使う植物が、花が咲いて「さやが伸び始めたら」交配ができる。
  • 雌しべ側に使う植物は、蕾が大きいもの(側枝より主茎、なるべく早い時期)を選ぶ  (※作業をしやすいように)
  • 花粉側に使う個体は、大きくなり過ぎると世話が大変なので(アラコンを脱着しにくくなる等)、早めに行うとよい

必要なもの一覧


備考 除雄 (1日目) 交配 (2日目) 種回収時
(a) 交配専用の精密ピンセット 先端を曲げないように注意! - -
(b) 先細ピンセット:(a)とは別のもの    -
(c) 植物用ハサミ    - -
(d) エタノール 交配用ピンセットの洗浄用 - -
(e) 串、ペーパータイ - -
(f) アクリル絵の具(目印用) 蛍光ピンク色 等の目立つ色 - -
(g) 爪楊枝 絵具用、旗作製用(目印) -
(h) テープ:(マスキングテープ等) 色分けして使用すると良い - -
(i) 工作用ハサミ - -
(j) 油性ペン -
(k) 1.5mlチューブ - -
(l) ノート、筆記用具 等

手順


<1日目:雌しべ側に使う花の雄しべ等の除去(除雄)>
(1) 雌しべ側に使う花の蕾を選ぶ。以降の作業をしやすい「大きめの蕾」を選ぶ
(2) 対象の蕾の近辺にある邪魔なさや、花を取り除く
(3) 「交配用ピンセット」を用いて、ガク片、花弁、雄しべを取り除く(雌しべを傷つけないように注意)
(4) 除雄できたら、目印のアクリル絵の具をつける(爪楊枝の先端に絵具を少量付けて、花柄の片側に付ける)
(5) (花茎を1本ずつ串にペーパータイで固定)
<2日目:交配=受粉>
(6) 除雄した後の雌しべをチェック(ダメージが無いか、柱頭が受粉可能な状態になっているか)
(7) 交配の組み合わせ(雌しべ-花粉)を決めて、花粉側に使う花(植物)が分かるように、雌しべ側に印をつける
  • 爪楊枝にテープを貼り合わせて「旗」を作り、「花粉側の植物」「交配日」を記入し、雌しべ側の花茎(串)の根元に挿す
  • 花の種類等でテープを色分けするとわかりやすい
(8) 花粉側に使う花の基部を先細ピンセットで挟んで、摘み取る
(9) 花の基部をピンセットでつまむと、花が押し広がった状態になる。その状態で、雄しべの先端の葯を雌しべ側の花の柱頭に接触させて花粉を付着させる
  • 雄しべの先端の“花の中心側:向軸側”を接触させる (葯は“花の中心側:向軸側”が裂開し、そこに花粉がついているため)
<交配後の処理>
  • 交配から3日後には、さやが伸び始める。さやが伸びれば受粉成功、伸びなければ受粉失敗。
  • 受粉後のさやがついた花茎は適宜管理する(串への固定等。回収直前のさやが裂開しやすい時期は、他のものと接触しないように注意!)
  • 交配からおよそ2週間後には、種が成熟しさやも茶色くなるので、その状態になったら回収する。
  • 先細ピンセットで花柄をつまみ、ハサミで切り取り、1.5mlチューブに回収
  • (注意)この時期のさやは接触すると、割れて種が散らばってしまうので要注意!
  • チューブ(蓋)には、種の情報を記載しておく
  • 種を回収したチューブは、種用デシケーターで保管。その際、種を乾燥させるため、チューブの蓋は密閉しない
  • プロワイプで栓をする


※ ノートの記入事項


  • 雌しべ側の花の個体情報(遺伝子型、個体のNo. 等)
  • 花粉側の花の個体情報(遺伝子型、個体のNo. 等)
  • 目印の情報(テープの色等)
  • 日付(除雄した日、交配日、結実のチェック、さやを回収した日)
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