トマト葉からのDNA抽出方法

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DNAの抽出はDNAが水に溶け、アルコールには溶けない性質を利用するものが多い。
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Plant DNA Isolation Reagent (Takara社)はこの方法を植物からのDNA抽出用に特化している。
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まず植物体を液体窒素で凍結して破砕する。
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この操作により細胞が壊れ、DNAが抽出液に溶けるようになる。
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液体窒素を使用する理由は主に二つあり、一つは低温に保つことで細胞の中にあるDNA分解酵素の働きを抑えることである。
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もう一つは葉を凍結して固くすることで、乳棒・乳鉢ですり潰しやすくする。
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植物のサンプルが粉末状になったらExtraction Solution 1(Sol1)を加える。
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Sol1にはpHの緩衝作用があり、DNAが安定に溶解できるようにpHを8ぐらいに保つ。
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2016年10月24日 (月) 09:57時点における版

DNA抽出の原理

DNAの抽出はDNAが水に溶け、アルコールには溶けない性質を利用するものが多い。 Plant DNA Isolation Reagent (Takara社)はこの方法を植物からのDNA抽出用に特化している。

まず植物体を液体窒素で凍結して破砕する。 この操作により細胞が壊れ、DNAが抽出液に溶けるようになる。 液体窒素を使用する理由は主に二つあり、一つは低温に保つことで細胞の中にあるDNA分解酵素の働きを抑えることである。 もう一つは葉を凍結して固くすることで、乳棒・乳鉢ですり潰しやすくする。

植物のサンプルが粉末状になったらExtraction Solution 1(Sol1)を加える。 Sol1にはpHの緩衝作用があり、DNAが安定に溶解できるようにpHを8ぐらいに保つ。 またEDTAが含まれており、DNA分解酵素の働きに必要なMg2+ 適した試薬を調整している。

器具、試薬


  • トマトの葉
  • 液体窒素
  • Plant DNA Isolation Reagent
Extraction Solution 1
Extraction Solution 2
Extraction Solution 3
  • イソプロパノール
  • 70%エタノール
  • TE溶液
  • ヒートブロック
  • 遠心機

実験方法


手袋を着用して、実験を行う。
  1. トマトの葉100mg程を量り、乳鉢に入れる。
    液体窒素を入れて、乳棒ですりつぶす。
  2. Extraction Solution 1 400μlを加えて乳鉢の中でよく混ぜる。
  3. Extraction Solution 2 80μlを加えて乳鉢の中でよく混ぜる。
  4. マイクロチューブ(1.5ml)に移す。
  5. Extraction Solution 3 150μlを加えてよく混ぜる(ボルテックスなど)。
  6. ヒートブロック(50℃)に15分間置く。
  7. 15000rpmで15min遠心し、上澄みを別のマイクロチューブにとる。
  8. 上澄みに同量のイソプロパノールを加え、混合してDNAを沈殿させる。
  9. 別のマイクロチューブに70%エタノールを1mlとり、DNAを入れる。
  10. 15000rpmで5min遠心して、エタノールを除き、乾燥させる。
  11. TE溶液100μlを加えて、4℃で保存する。
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