DNAの定量 (DS-11 FX+)
提供: 鈴木研Wiki
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DNA定量の原理
DNAやRNAに含まれる塩基はその構造中に多数の二重結合がある。 二重結合は紫外線を吸収するので、吸光度を測定することで物質の濃度を測定することができる。
吸光度を用いた定量は簡便であるが、不純物の影響を受けやすいのが弱点である。 また感度はそれほど高くない。 希釈しない場合は5 ng/µl程度が限界である。
DNAとRNAは260 nmに極大吸収波長をもつ。 DNAの場合260 nmにおける吸光度と280 nmにおける吸光度の比(A260/A280)が1.8になる。 一方RNAの場合はA260/A280は2.0になる。 この数値をみてRNAやDNAのコンタミの程度を知ることもできる。
植物から抽出したDNAやRNAの場合、230 nmにおける吸光度が高くなることがある。 これは抽出物に含まれる不純物によるものである。
二本鎖DNAの濃度はA260の数値に50をかけて算出することが多い(単位は ng / µl)。 一本鎖DNA(オリゴDNAを含む)の濃度はA260の数値に35をかけて算出することが多い。 RNAの濃度はA260に40をかける。
装置
微量分光光度計 DeNovix社 DS-11 FX+ (@2階 31号館 312A号室)
手順
- DNAの濃度が高い場合は適宜希釈する。
- 装置の電源を入れる。(電源スイッチ:装置の後ろ側)
- メニュー画面で、「dsDNA」を選択。 ※RNAの場合「RNA」を選択
- アームを上げて、ステージに水(もしくはTEなどのDNAを溶かした溶液)を2µlのせる。アームを下して、「BLANK」を押す。終わったら、アームを上げてステージをプロワイプで拭く。
- ※使用前のステージの清掃も兼ねて、「BLANK」(ゼロ合わせ)は2回行うとよい。
- ステージに水(もしくはTEなどのDNAを溶かした溶液)を2µlのせる。アームを下して、「Analyze」を押す。測定後に、アームを上げてステージをプロワイプで拭く。
- ※ゼロ合わせができているか確認する。問題があれば、「BLANK」からやり直す。
- プリント(2)を押すと結果が印字される。
- グラフ(3)を押すとスペクトラムが表示される。
- オートプリント(9)を押すと測定のたびに自動で印刷される。
- サンプルを1µl(慣れないうちは2µl)のせて、レバーを下げて測定する。
- 測定後はステージをキムワイプでふく。
後片付け
全てのサンプルの定量が終わったら、電源ボタンを長押しして電源をきる。 ステージを水で湿らせたキムワイプでふき、最後に乾燥したキムワイプでふく。