RNAの定量 (invitrogen Quant-iT RiboGreen RNA Reagent and Kit)

このキットの原理、定量可能なRNAの濃度 等

• RNAに特異的な蛍光色素RiboGreenを使って定量する。
• 吸光度(UV)より正確に微量のRNAでも定量できる　（但し、この色素はDNAにも結合するので、混入DNAの影響を受ける点は要注意）

• 定量するRNAの濃度によって、「High-range assay」「Low-range assay」の2通りの測定方法がある。
• 反応液に混ぜる蛍光色素の量が異なる。この研究室で通常扱うRNAの濃度範囲は、「High-range assay」に相当

• RNA1µlを200µlの反応液で定量する場合（96穴プレートを使用）

	High-range assay	Low-range assay
定量可能なRNA濃度	4 ～ 200 ng/µl	0.2 ～ 10 ng/µl

200 ng/µlを超える場合、RNAを希釈して定量する　

(※) 「High-range assay」で400ng/µl辺りを定量すると、20～50ng/µl程、濃度が低めに算出される

（上記の誤差を考慮したうえで、希釈の手間等を考えて、ライブラリ作製前の定量などには400ng/µl程度のものなら希釈せずに測定）

試薬

• invitrogen社 Quant-iT RiboGreen RNA Reagent and Kit（4℃保存）
  • Ribo Green
  • 20x TE
  • rRNA standard (100ng/µl) ： キットに5本(200µlずつ)添付。使用中の1本以外は-80℃で保存

手順

標品を準備する

1. （20xTEを20倍に希釈して1xTEを作る　※この時の水はRNase free water）
2. rRNA standard (100ng/µl)を1xTEで5倍に希釈して 「20ng/µl」 を作製　（TE 8µl + rRNA 2µl）
3. 同様に、(20ng/µl)を1xTEで5倍に希釈して 「4ng/µl」 を作製

• 標品（検量線用）は、[200 (rRNA(100ng/µl)を2µl), 100, 20, 4 ng/µl] の4点　

• 場合によって、400ng/µl(rRNA(100ng/µl)を4µl)も入れて5点とする　（上記の (※) 参照）

定量

1) 以下を混ぜて、反応液を作製　

	1サンプル	10サンプル	備考
H2O	190µl	1.9 ml	ここで使う水は消費量が多いので、dH2O（滅菌水）でOK。RNase free waterでなくて良い
20x TE	10µl	100 µl
Ribo Green	0.5 µl	5 µl	200倍希釈　（※「Low-range assay」の場合、2000倍希釈＝0.05µl/1サンプル）

2) 反応液を200µlずつ分注する。
3) 1µlサンプルを加える。よく混ぜる。
4) 蛍光を測定する。490nm 励起、510-570nm 蛍光（DNAの定量 (Promega QuantiFluor)　と同じ設定で測定）　⇒ SYNERGY H1 (プレートリーダー)