MultiNAを使った電気泳動

提供: 鈴木研Wiki
2021年1月15日 (金) 13:03時点における157.110.120.101 (トーク)による版

(差分) ←前の版 | 最新版 (差分) | 次の版→ (差分)
移動: 案内, 検索

(1) 装置の起動

  1. 本体の電源を入れる。
  2. 制御用コンピュータを起動する。MultiNAユーザーでログインして、MultiNA装置制御を起動する。
  3. 制御ソフトの左上の「MultiNA」の文字が緑色になっていればOK。
  • オレンジのときは本体と通信できていないのでメニューの「装置」-「接続」を実行する。
  • 洗浄水の量を確認する。足りないときはElix水を補充する。
  • 洗浄水が足らないとチップが詰まってしまうので、毎回のラン開始時、あるいは洗浄・クリーニング開始時には、必ずチェックする!
  • 廃液が一杯になっていないか、廃液チューブが正しくセットされているかを確認する。廃液はシンクに流す。

(2) クリーニング

前日に使用していない場合は、全チップクリーニングをする。(※前日に使用している場合は、チップ洗浄を行う(2回:全チップ))

「装置」タブ → 「チップクリーニング」 → 「全チップ」 
  • チップクリーニング液=Cleaning Solution RA (試薬棚)
  • チップ4枚、2回洗浄の場合:クリーニング液使用量=2.6ml(容器のラインまで)。所要時間=70分。

(3) 試薬の解凍

  • クリーニングを待っている間に、試薬を実験台の上に出して室温に戻しておく
  • 解析するDNA断片の長さに合わせて、「DNA-500(水色)」「DNA-2500(紫)」「DNA-12000(ピンク)」のうち適切なキットを選ぶ。

以下は、500bp以下のDNA断片を解析する際の「DNA-500(水色)」についての説明。

  • ストック溶液の作製方法、「DNA-2500(紫)」「DNA-12000(ピンク)」の対応試薬は、末尾の「補足」を参照)
  • ラダー:pUC19/MspI(HpaII) ※調整済みの希釈液を使う(-20℃で保存)
  • 希釈色素液 SYBR Gold (-20℃で保存)
  • DNA マーカー溶液 :DNA-500用(水色)を使用(-20℃で保存)
  • DNA 分離バッファ :DNA-500用(水色)を使用 (4℃で保存)

(4) 測定

1. 制御ソフトでサンプルの登録を行う。
1) MultiNA画面の「新規登録」をクリック
2) 使用するプロジェクト(キット、マーカー溶液の混合方法)を選択しOKをクリック
  • 「DNA-500」での解析には、基本的に「DNA-500_On-chip_1901」を使う
3) サンプルを配置するウェルをクリック(緑色に変わる)
4) ▶▶をクリック
5) (各ウェルのサンプル名を入力)
6) 登録をクリック
2. 分離バッファーとマーカーの必要量が表示されるので、調製して設置する。

(試薬の調整方法)

  • MultiNA装置の下の引き出しにある、試薬調製用のチューブを使う
  • ラダー=pUC19/MspI(HpaII) : ラダー用チューブ(200ulチューブ)に、 12µl 分注する
  • DNA マーカー溶液 :マーカー用0.5mlチューブに、 表示された量+10µl 分注する
  • DNA 分離バッファ :DNA分離バッファには、希釈色素液を100分の1量添加する
(1)分離バッファ用チューブに、「希釈色素液」を DNA分離バッファの 表示量の100分の1 入れる
(2)そこへ、DNA分離バッファを 表示量+100µl 入れる。(粘性が高いので注意!)
(3)チューブの蓋をして、ボルテックスで懸濁する。(泡ができたら、ピペットマンのチップで突いて消す)
泡立ちやすいので、ピペッティングはしない
  • 分離バッファーは多めに作る。(足らない場合、ラン開始時にエラーが出る)
(分離バッファ調製量の目安)
合計分析数 8分析以下 9-29分析 30-79分析 80-120分析
分離バッファーの量 (µl) 495 990 1980 2970
希釈色素液の量 (µl) 5 10 20 30
  • 調製した試薬は、MultiNA装置の蓋を開けて所定の位置に設置する。
  • 分離バッファーとマーカーは、ラベルの色と装置内の置き場所の色が同じ(DNA-500の場合、水色)。


3. 自分のサンプルをセットする。サンプルは5µl以上必要で、そのうち1µlが使用される。
4. サンプルを固定するための金属の網をかぶせる。
5. MultiNA装置の蓋をする。
6. 制御用ソフトでランを開始する(▶をクリック)。泳動終了後に自動で洗浄を2回行うようにしておく。
  • 分離バッファー等の量が足らない場合、ラン開始してしばらく後にエラーが出る。その場合、補充したうえで再度ランを開始する

(5) 後片付け

  • 一日の最後に全チップクリーニングを行う。チップクリーニングを行ったまま帰宅してよい(翌日に片付ける)。
    • 装置内にセットしたチューブをすべて回収。装置本体の電源を切る。
  • 分離バッファー、マーカー、ラダーの容器は水洗いして、風乾。

(6) データの解析

データは自動で保存される。「MultiNA Viewer」で解析する

  • (保存場所) デスクトップのショートカット「MultiNA-Project」内のプロジェクト毎のフォルダ内。登録時の日付が付いたファイルが作られる。


※ 補足(各キットとラダーの対応、ストック溶液の作製方法)

  • 解析するDNA断片の長さに合わせて、「DNA-500(水色)」「DNA-2500(紫)」「DNA-12000(ピンク)」のうち適切なキットを選ぶ。

(1) ラダー

:キットに合わせて下記から選択。(2)で希釈したものを使う(-20℃で保存)

MultiNA用試薬 ラダー
DNA-500 pUC19 HpaII Digest (pUC19/MspI(HpaII)) ※25bp DNA ラダー から変更
DNA-2500 pGEM DNA Markers
DNA-12000 2-Log DNA Ladder (0.1-10.0 kbp)

(2) ストック溶液の作製

  • (A) ラダーの希釈
  1. (DNA-500) pUC19 HpaII Digest (pUC19/MspI(HpaII)) はTEで50倍に希釈する。
  2. (DNA-2500) pGEM DNA Markers はTEで100倍に希釈する。
  3. (DNA-12000) 2-Log DNA Ladder はTEで100倍に希釈する。
  • (B) 希釈色素液
  1. SYBR Gold 1µlとTE 99µlを混ぜ合わせる。
個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ツール