ゲノム編集した植物のシークエンスの解析:シーケンスアセンブリソフトウェア「ATGC」を使う場合
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(注意:編集中!) CRISPR-Cas9でゲノム編集した植物のシークエンスを解析し、変異を同定する方法についての解説。
目次 |
[編集] [1](概要)ゲノム編集で変異体を作成する手順:pKIベクターを用いた場合
アグロバクテリウムの感染後、シークエンス解析に至るまでの流れ (概要説明) 1) 形質転換されたT1植物を選抜し、生育する - pKIベクターを用いた場合、T1種子の中から「OLE-tagRFPが光る」ものを播いて育てる (=T-DNAが組み込まれている)
2) 目的の遺伝子がゲノム編集されている個体を選抜・生育し、T2種子をとる
- genotyping:PCR+制限酵素処理で、変異遺伝子を持つ個体を選抜 (制限酵素処理で、切れる:野生型(WT型)、切れない:変異型)
3) T2世代で、Cas9を持たない植物を選抜する - pKIベクターを用いた場合、T2種子の中から「OLE-tagRFPが光らない」ものを播いて育てる (=T-DNA、Cas9を持たない)
4) T2世代で、目的の遺伝子がゲノム編集されている個体を選抜する - 2) と同様のgenotypingを実施
5) キャピラリーシークエンサーでの解析 - 4) のgenotypingの時のPCR産物(制限酵素処理する前のもの)を、キャピラリーシークエンサーで解析する
- PCRに用いた両端のプライマー各々で解析したファイルを作成。このファイルを用いて以降の解析を行う
[編集] [2] ゲノム編集によってできる変異型のアリルについて
[編集] [3] 変異型アリルの検出(遺伝子型の同定:genotyping)
[編集] [4] 変異型アリルの同定(ゲノム編集した植物のシークエンス解析)
(1) 解析に使うファイルを準備する
- キャピラリーシークエンサーで読んだ波形ファイル(拡張子.ab1)
- ゲノム編集した箇所をはさんだ領域をPCRで増幅したものを、両側のプライマーでシークエンス解析したファイル
- ゲノム編集した「遺伝子のもとの配列」と「sgRNAの配列(PAM配列まで含めて)」。FASTA形式で保存する
- 「メモ帳」等のテキストエディタを起動し、以下の内容を記述したファイルを作成する(ファイル保存時に、拡張子を「.txt」から「.fasta」に変更)
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(2) シーケンスアセンブリソフトウェア「ATGC」を起動
- 「ATGC」は共通PCにインストールしてあります
自分のPCで解析したい場合 インストール方法:中部大学総合情報センターから「Genetyx」をダウンロード・インストールして使用する
http://www.isc.chubu.ac.jp/services/chubu/genetyx.html
- 上記ページへのアクセス、および「Genetyx」のダウンロード・インストールは中部大学内のネットワークへの接続が必要
起動方法:「ATGC」は遺伝情報処理ソフトウェア「Genetyx」内にあるので、以下のいずれかの方法で起動する - (A) 各自のPCの「C:ドライブ」-「Program Files」-「Genetyx_VerXX_Net」フォルダ内の「ATGC.exe」を起動
- (B) 「Genetyx」を起動し、ツールバーの「起動」-「ATGC」を選択
- (B)の方法で起動する場合は、ネットワーク認証が必要で、PCが中部大学内のネットワークに接続されている必要がある (なので、(A)を推奨)
初期設定:「ATGC」は初回使用時にパラメータを設定する必要がある(共通PCは設定済み) - 「ファイル」-「環境設定」-「解析」を選択し
- 最小ホモロジースコア「30」
- 最小一致塩基数「10」
に変更する
(3) 配列データをアセンブルして解析
1) 配列、およびシークエンス解析したファイルを取り込む(インポート)
- 「ファイル」-「新規」を選択し、(1)で用意したファイルを取り込む
2) 取り込んだ配列をアセンブルする
- 「解析」-「アセンブル」を選択し、さらに「アセンブル」を選択
- 「Contig」を展開(アセンブルした配列の表示)。
- sgRNAを選択すると、その配列の先頭=ゲノム編集箇所に移動。
- 波形ウィンドウを表示させる。
- 単一の波形が出現=ホモ:そのまま配列を成形(→Aへ進む)
- 重なった波形が出現=Bi-allelic(2個のアリル(変異)が混ざっている):波形を分離して解析(→Bへ進む)