DNAの定量 (NanoVue)
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DNA定量の原理
DNAやRNAに含まれる塩基はその構造中に多数の二重結合がある。 二重結合は紫外線を吸収するので、吸光度を測定することで物質の濃度を測定することができる。
吸光度を用いた定量は簡便であるが、不純物の影響を受けやすいのが弱点である。 また感度はそれほど高くない。 希釈しない場合は5 ng/µl程度が限界である。
DNAとRNAは260 nmに極大吸収波長をもつ。 DNAの場合260 nmにおける吸光度と280 nmにおける吸光度の比(A260/A280)が1.8になる。 一方RNAの場合はA260/A280は2.0になる。 この数値をみてRNAやDNAのコンタミの程度を知ることもできる。
植物から抽出したDNAやRNAの場合、230 nmにおける吸光度が高くなることがある。 これは抽出物に含まれる不純物によるものである。
二本鎖DNAの濃度はA260の数値に50をかけて算出することが多い(単位は ng / µl)。 一本鎖DNA(オリゴDNAを含む)の濃度はA260の数値に35をかけて算出することが多い。 RNAの濃度はA260に40をかける。
装置
GE社 NanoVue Plus
手順
- DNAの濃度が高い場合は適宜希釈する。
- 装置の電源を入れる。
- スイッチを押す。
- 自動で印字されるようにするには、を押す。
- 水もしくはDNAを溶かすのに用いた溶液(TEなど)を十字の真ん中に2µlのせる。
- レバーを下げ、補正を行う。
- もう一度補正を行う。
- サンプルを2µlのせて、レバーを下げる。
後片付け
全てのサンプルの定量が終わったら、ステージを水で湿らせたキムワイプでふく。 最後に乾燥したキムワイプでふいて、装置の電源を切る。