ムラシゲ・スクーグ培地の作製
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シロイヌナズナの育成のための培地作り
[編集] 組成
(1) オートクレーブするもの
ストック濃度 | 終濃度 | |
---|---|---|
MS塩 | 2× | 1/2× |
MES-KOH (pH 5.7) | 5 % | 0.05 % |
B5-Vitamin | 1000× | 1× |
Sucrose | 2 % | |
Gellan Gum | 0.3 % |
Sucroseの濃度は実験によって異なるので、作製する前に確認する (Gellan Gumの代わりに、植物培地用Agarを使う場合もある)
- 2×MS塩:MS塩1袋(1L用)を500mlの水に溶かしたもの (※MS塩=ムラシゲ・スクーグ培地用混合塩類)
- ※アルミ袋の中に残った粉末も残さず水に溶かす(袋内に残った分は共洗いして入れる)
- B5-Vitamin:1000×の溶液(1mlずつに分注してある。-20℃)を使う
(2) 抗生物質など、必要に応じていれるもの (オートクレーブ後に入れる) ※下の表は、2023年3月に更新
用途 | 終濃度 | ストック濃度 | |
---|---|---|---|
カナマイシン (Km) | 形質転換体の選抜 | 50 mg/L | 50 mg/ml |
ハイグロマイシン (Hyg) | 形質転換体の選抜(drol1以外の野生型など) | 20 mg/L | 20 mg/ml |
ハイグロマイシン (Hyg) | 形質転換体の選抜(drol1) | 10 mg/L | 20 mg/ml |
セフォタックス (Cef) | アグロバクテリウムの増殖抑制 | 100 mg/L | 100 mg/ml |
ルシフェリン | ルシフェラーゼ活性の測定 | 10 μM | 5 mM |
バスタ(グルホシネート)については、各種試薬の作製方法(覚え書き)を参照
- T1植物用の培地の組成
- ハイグロマイシン選抜
- 「ハイグロマイシン:20 mg/L(drol1は10 mg/L)、セフォタックス:100 mg/L」の培地を作製し、種まき
- → ハイグロマイシン耐性植物を選抜し、「セフォタックス:100 mg/L」の培地に移す
- GFP,RFPでの選抜
- 「セフォタックス:100 mg/L」の培地を作製し、種まき
- → 種子のGFP,RFPの蛍光で形質転換体を選抜する
- 「Sucrose濃度」「抗生物質の濃度」「Gellun Gum/Agarの使い分け」の早見表 ※下の表は、2023年3月に記載
通常の培地 | T1植物 (Hyg選抜) | T1植物 (Hyg選抜の後 / GFP,RFP選抜) | たてプレート | |
---|---|---|---|---|
Sucrose | 2 % | 1 % | 2 % | 1 % |
ハイグロマイシン (Hyg) | - | 20 mg/L (drol1の時は、10 mg/L ) | - | - |
セフォタックス (Cef) | - | 100 mg/L | 100 mg/L | - |
Gellun Gum | 0.3 % | 0.3 % | 0.3 % | - |
Agar | - | - | - | 1.5 % |
[編集] 実験方法
- 1. メスシリンダーに
- 2×MS塩
- 5% MES-KOH (pH 5.7)
- Elix 水
- Sucrose
- 1000×B5-Vitamin (-20℃)
- 以上の5つを入れて、スターラーにかける
- 2. Sucroceが溶けたら1Lにメスアップする
- 3. メデュウムビンに
- 0.3% Gellan Gum
- 2 の培地
- を入れ、メデュウムビンの蓋を少し緩め、オートクレーブ (121℃、15min)
ここからはクリーンベンチ内で操作すること
- 4. オートクレーブ後、スターラーで撹拌しながら冷まし、
- 必要に応じて、抗生物質など を加える。
- 5. 滅菌2号角シャーレに分注し、固まるまで放置。
- 固まったらビニール袋に入れ、培地の種類(Sucrose濃度、Gellun Gum/ Agar濃度、抗生物質は忘れずに書く)、作製日、作製者を書く
- ルシフェリン入りの培地はアルミホイルに包む
- 4℃で保管 (プレートは逆さにする=蓋が下になるように保管)