各種試薬の作製方法(覚え書き)

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大腸菌等の形質転換時に使うSOC培地は、以下のもので代用
 
大腸菌等の形質転換時に使うSOC培地は、以下のもので代用
 
# 液体LB培地を作製 (LB broth:2g/100ml @200mlビーカー)→ オートクレーブ
 
# 液体LB培地を作製 (LB broth:2g/100ml @200mlビーカー)→ オートクレーブ
# (クリーンベンチにて) オートクレーブ後に、2M グルコース溶液(オートクレーブ済み) を1ml(1/100量)添加 ※終濃度:20mM
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# (クリーンベンチにて) 2M グルコース溶液(オートクレーブ済み) を1ml(1/100量)添加 ※終濃度:20mM
 
# 1.5mlチューブに1mlずつ分注 (100本できる)
 
# 1.5mlチューブに1mlずつ分注 (100本できる)
 
* 分注には、分注器+コンビチップを使うと便利
 
* 分注には、分注器+コンビチップを使うと便利
* 1.5mlチューブ100本=大コーヒー瓶1本分 → ユニパックG-4・1袋に回収
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* 1.5mlチューブ100本≒大コーヒー瓶1本分 → ユニパックG-4・1袋に回収
  
  
 
==== 種子滅菌液 ====
 
==== 種子滅菌液 ====
5%ブリーチ液 : 次亜塩素酸ナトリウム 5ml、10% Triton 200μl/ 100ml  
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(5%ブリーチ液): 次亜塩素酸ナトリウム 5ml、10% Triton 200μl / 100ml
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==== MES-KOH (5%, pH5.7) ====
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MES 10g / 200ml で作製
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# MES 10gを量り取って、適量の水(150ml程度)で溶解
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# MESが溶解したら、1M KOHでpH5.7に合わせる
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# 200mlまでメスアップし、この段階で再びpHを調節する
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* pH調整で添加する1M KOHは13~16ml程度と量が多いので、最初の溶解時には、この分を考慮する
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* メスアップするとpHが変動する(下がる)ため、最終容量でのpH調整が必須。(この時は最初よりpHが変動しやすいので注意)
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==== 1000x B5ビタミン  ====
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以下の組成で作製。1.5mlチューブに1mlずつ分注して-20℃保存 (分注には、分注器を使用)
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|  || 100 ml || 40 ml
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| ニコチン酸 ||100 mg|| 40 mg
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| チアミンHCl || 1 g || 400 mg
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| ピリドキシンHCl || 100 mg || 40 mg
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| myo-イノシトール || 10 g || 4 g
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==== バスタ(グルホシネート)  ====
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形質転換後の植物の選抜に使う抗生物質の一種
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!!! グルホシネート濃度 !! 場所 !! 備考
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| 原液 || 18.5% || 試薬棚に保存(50mlチューブに入っている)|| 名大生化からもらった
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|ストック溶液 || 1% || -20℃の抗生物質ケース。 || 原液を18.5倍希釈して、フィルター滅菌
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* 培地には、ストック溶液を1/1000量入れる(グルホシネート終濃度:0.001%)
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==== 抗生物質・全般 ====
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[[ムラシゲ・スクーグ培地の作製]]を参照(以下は、そのページの抗生物質の欄だけ抜粋した表)
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!!! 用途 !! 終濃度 !! ストック濃度
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| カナマイシン (Km) || 形質転換体の選抜|| style="text-align:right;"|50 mg/L || style="text-align:right;"| 50 mg/ml
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| ハイグロマイシン ('''Hyg''') || 形質転換体の選抜(drol1以外の野生型など)|| style="text-align:right;"| 20 mg/L || style="text-align:right;"| 20 mg/ml
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| ハイグロマイシン ('''Hyg''') || 形質転換体の選抜(drol1) || style="text-align:right;"| 10 mg/L || style="text-align:right;"| 20 mg/ml
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| セフォタックス ('''Cef''') || アグロバクテリウムの増殖抑制 || style="text-align:right;"| 100 mg/L || style="text-align:right;"| 100 mg/ml
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| ルシフェリン || ルシフェラーゼ活性の測定 || style="text-align:right;"| 10 μM  || style="text-align:right;"| 5 mM
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* 上記の「ストック濃度」で水に溶解(5mlチューブ使用)
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* (クリーンベンチ内で)フィルター滅菌(10mlシリンジ+0.22umフィルター)⇒オートクレーブ済みの1.5mlチューブに分注
  
  
 
==== 50 x TAE ====
 
==== 50 x TAE ====
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※現在は、50xTAEを購入しているのでこの方法では作製していないが、記録として記載
 
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|試薬||分量
 
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以上のものを混ぜて、1Lにメスアップする。
 
以上のものを混ぜて、1Lにメスアップする。
※現在は、50xTAEを購入しているので、この方法では作製していない
 

2024年3月15日 (金) 09:27時点における最新版

目次


[編集] SOC培地 もどき (LB培地+20mMグルコース)

大腸菌等の形質転換時に使うSOC培地は、以下のもので代用

  1. 液体LB培地を作製 (LB broth:2g/100ml @200mlビーカー)→ オートクレーブ
  2. (クリーンベンチにて) 2M グルコース溶液(オートクレーブ済み) を1ml(1/100量)添加 ※終濃度:20mM
  3. 1.5mlチューブに1mlずつ分注 (100本できる)
  • 分注には、分注器+コンビチップを使うと便利
  • 1.5mlチューブ100本≒大コーヒー瓶1本分 → ユニパックG-4・1袋に回収


[編集] 種子滅菌液

(5%ブリーチ液): 次亜塩素酸ナトリウム 5ml、10% Triton 200μl / 100ml


[編集] MES-KOH (5%, pH5.7)

MES 10g / 200ml で作製

  1. MES 10gを量り取って、適量の水(150ml程度)で溶解
  2. MESが溶解したら、1M KOHでpH5.7に合わせる
  3. 200mlまでメスアップし、この段階で再びpHを調節する
  • pH調整で添加する1M KOHは13~16ml程度と量が多いので、最初の溶解時には、この分を考慮する
  • メスアップするとpHが変動する(下がる)ため、最終容量でのpH調整が必須。(この時は最初よりpHが変動しやすいので注意)


[編集] 1000x B5ビタミン

以下の組成で作製。1.5mlチューブに1mlずつ分注して-20℃保存 (分注には、分注器を使用)

100 ml 40 ml
ニコチン酸 100 mg 40 mg
チアミンHCl 1 g 400 mg
ピリドキシンHCl 100 mg 40 mg
myo-イノシトール 10 g 4 g


[編集] バスタ(グルホシネート)

形質転換後の植物の選抜に使う抗生物質の一種

グルホシネート濃度 場所 備考
原液 18.5% 試薬棚に保存(50mlチューブに入っている) 名大生化からもらった
ストック溶液 1% -20℃の抗生物質ケース。 原液を18.5倍希釈して、フィルター滅菌
  • 培地には、ストック溶液を1/1000量入れる(グルホシネート終濃度:0.001%)


[編集] 抗生物質・全般

ムラシゲ・スクーグ培地の作製を参照(以下は、そのページの抗生物質の欄だけ抜粋した表)

用途 終濃度 ストック濃度
カナマイシン (Km) 形質転換体の選抜 50 mg/L 50 mg/ml
ハイグロマイシン (Hyg) 形質転換体の選抜(drol1以外の野生型など) 20 mg/L 20 mg/ml
ハイグロマイシン (Hyg) 形質転換体の選抜(drol1) 10 mg/L 20 mg/ml
セフォタックス (Cef) アグロバクテリウムの増殖抑制 100 mg/L 100 mg/ml
ルシフェリン ルシフェラーゼ活性の測定 10 μM 5 mM
  • 上記の「ストック濃度」で水に溶解(5mlチューブ使用)
  • (クリーンベンチ内で)フィルター滅菌(10mlシリンジ+0.22umフィルター)⇒オートクレーブ済みの1.5mlチューブに分注


[編集] 50 x TAE

※現在は、50xTAEを購入しているのでこの方法では作製していないが、記録として記載

試薬 分量
Tris 242 g
酢酸 57.1 ml
EDTA・2Na 18.6 g

以上のものを混ぜて、1Lにメスアップする。

個人用ツール
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ツール